「もしも私が長生きできたら、50歳になっても60歳になってもこのお知らせを受けとるんですよね。そのとき『なぜ40代のときに、この子をおなかに戻さなかったのか』って、絶対に後悔すると思いました」
そしてもうひとつの理由は、小泉さんの子ども時代の写真を見つけたこと。
「まだ3歳くらいの彼が、土手をかけ下りている写真があるんですよ。そのあと泣いている写真もあるので、たぶん転んだんでしょうね(笑)。その写真が、とにかくかわいくて、かわいくて。
ああ、もしかしたらこんな子が私のおなかから出てくるかもしれないんだ!って思っちゃったんです。なんだかうれしくなってしまって、ワクワクが『こわさ』を上回ってしまったんです」
けれど、治療を中断するリスクは消えるわけではありません。
「でも、自分の人生ですからね。どうしても欲しいものがあったら、一歩踏み出さないと何もつかみとれない。リスクがあっても、それ以上に欲しいものがあると気づいたんです」
そうはっきり言ったあとで、だいたさんは少し照れたようにこう言いました。
「いや、本当はね、ふつうに妊娠してふつうに出産したかったんですよ。なのに、気づいたら『命がけのチャレンジ!』『ギネスに挑戦!』みたいになっちゃった(笑)」
おそるおそる主治医に聞いてみました
「がんの再発後、出産した人はいますか?」




