横澤 若ければ若いで「若いからいいね」と言われることもあって。
20代でも年齢以外の不妊原因がある方もいらっしゃいます。妊活の事情は一人ひとり違うけど、やっぱり人のことをうらやましく思っちゃうというのかな。私もよく「若いからいいね」と言われましたけど、そう言われたときに、なんて言葉を返せばいいんだろうと悩んだりしていました。
駒井 うんうん。
横澤 マンガでは遠方のクリニックに飛行機で通っているご夫婦もいましたよね。
クリニックでは人のことを聞いちゃいけないとか、見ちゃいけない、しゃべっちゃいけない雰囲気だったので、いろんな事情を抱えている人がたくさんいるんだなと、『妊活夫婦』で知る感じでした。
主人公もそうですけど、マンガを通して、いろいろな人の不妊事情を知ることができて、すごい勉強になりました。言葉の使い方もすごいなって。
駒井 ありがとうございます。
横澤 それは駒井さんご自身が、クリニックでほかの患者さんとお話しをされていたということですか。
駒井 それはいっさいないです(笑)。
横澤 えー! 飛行機で通院されている方のお話は?
駒井 その話は無精子症の回で登場しますけど、もともとは不妊治療の研究論文を書いてらっしゃる方から伺った話なんです。
無精子症の治療ができるクリニックは全国でも限られていて、時間が迫っているご夫婦もたくさんいます。なかには投資だと思って、飛行機を使って通院する方もいらっしゃると聞き、そういう世界なんだと!
私の夫も無精子症の疑いがあったので、たまたま聞けたお話しだったのですが、ふつうはなかなかふれられないと思うんです。
『妊活夫婦』は不妊治療について知らない世代に知ってもらいたい、という気持ちが大きいんですよ。
なのでエピソードについてはさまざまな体験談を聞いたり読んだりしたうえで、治療のたいへんさがリアルに伝わるように年齢や不妊原因、のそれぞれ異なったキャラクターを用いて創作しています。
横澤 なるほど〜。『妊活夫婦』も主人公が「まあできるでしょ」と思っているところから始まるので、不妊についてよく知らなくてもすごく入りやすいですよね。私自身も最初の教科書として、本当に勉強になりました。
でも、不妊を描こうと思ったきっかけというか、ご自分の経験談も、もちろんあるわけですよね。描くときにつらくなったりとかはなかったんですか。




