受診はしていた、けれど「原因」には届かなかった
ここ数年で「プレコンセプションケア」という言葉も次第に浸透し、10代・20代から自分の体の状態を知り、ケアをすることの大切さが広く知られるようになってきました。しかし、当時の千種さんには、生理不順が将来の妊娠に関わる可能性があるという知識はほとんどありませんでした。
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また、自分の体を継続的に診てくれる「かかりつけ医」を持つことの重要性にも考えが及んでいなかったと振り返ります。
「初めて産婦人科を受診した21歳以降、たびたび生理不順はあって。だから、定期的に診察は受けていました。ただ、どこの病院に行っても標準的な治療がシームレスに受けられるものだと思い込んでいたので、外出先で見かけた婦人科に飛び込みでかかったりしていたんです。
でも、そういう受診の仕方だと、医師もその場限りの対処療法しか提案できないですよね。『生理が来ていないなら、注射で生理を起こしましょう』といった具合で。根本的な原因を調べる検査にはなかなか至らないまま、対処療法的な治療が続いていきました」
25歳で襲われた原因不明の「発汗」と「のぼせ」
2014年の4月より、気象キャスターとして青森の放送局での仕事をスタートした千種さんは、その年の夏頃から、発汗やのぼせに悩まされるようになりました。

青森に赴任する直前です。
「生放送前のデスクでの準備中など、汗が吹き出すようになってなかなか止まらなかったり、室内でものぼせてクラクラしたり。いま振り返ると、更年期に見られる典型的なホットフラッシュの症状でした」
しかし、25歳の千種さんには、まさか自身の体に更年期に近い症状が出ているとは夢にも思わないことでしょう。汗やほてりなどの症状が、長年悩まされてきた月経不順と地続きの症状であるとは、到底結びつきませんでした。
そんなとき、生理不順の相談でたまたま訪れた産婦人科で、「高ゴナドトロピン血症」の診断を受けたのです。
「これまでいくつもの産婦人科を受診してきましたが、医師から渡された紙には、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の数値とともに、『高ゴナドトロピン血症』の文字が書きつけられていました」
高ゴナドトロピン血症とは、卵巣の機能不全によって性ホルモンが減少し、脳の下垂体からFSHやLHが過剰に分泌されている状態を指します。
「ただ、原因がわかったものの、治療自体はこれまでとまったく変わらなかったんです。ピルを飲んで、人工的に生理を起こす。でも、ピルをやめると、また生理も止まるし、その期間は汗やほてりに悩まされる。
症状が改善しないことに疑問を感じて別の婦人科に転院しようと考え、たまたまそこが不妊治療を専門に行うクリニックだったんです」
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