体験談

映画『藍反射』に込めた思い「自分の体を後回しにしないでほしい」|気象予報士・千種ゆり子さん【後編】

千種ゆり子さん

20代前半から生理不順に悩み、26歳のときに「早発閉経」と診断された、千種ゆり子さん。「子どもを持つ未来を諦めたくない」と卵子凍結をめざして治療を続けますが、30歳を目前に治療を終える決断をしました。

この春、ご自身の経験を起点に、野本梢さんが脚本・監督を務め、エグゼクティブプロデューサーに稲村久美子さんを迎え制作した映画『藍反射(らんはんしゃ)』が公開予定です。早発閉経を公表するまでの思いや、映画に込めたメッセージを伺いました。

インタビューを最初から読む>>生理不順が続き、26歳で「早発閉経の疑い」と診断されるまで|気象予報士・千種ゆり子さん【前編】

同じ後悔をしてほしくないから

千種さんの身に起きた早発閉経は、女性の約1%、100人に1人にみられると言われています。100人に1人といえば、たとえば、学生時代の同窓生のなかにも同じ経験をしている人がいてもおかしくない数字です。しかし、決して珍しいことではない一方で、社会的な認知はまだ高いとは言えません。

「私自身、診断を受けるまで“早発閉経”という言葉を聞いたこともありませんでした。もしあのときの自分に少しでも知識があれば、もっと根本的な原因を追求しようと行動を起こせたかもしれません」

関連記事→早発卵巣不全(早発閉経)って?妊娠できるの?第一人者の石塚文平先生に聞いてみた!【産婦人科医監修】

2022年10月、千種さんは自身の早発閉経の経験を公表しました。若い世代に、自分のような後悔をする人を増やしたくない、という思いが強かったと言います。

「公表後、20代の方から『生理不順なので、婦人科を受診しようと思います』という声が届いたり、思春期の女の子のお母さんから『娘の体が心配なので、検査を受けさせようと思います』というメッセージをいただいたりして、とてもうれしかったですね」

スタッフ・キャストの願いが映画として結実

「若い世代に、自分の体や将来の選択について知ってほしい」その思いはさらに大きく広がり、映画『藍反射』という作品に昇華されました。

「実は、この映画の監督を務めてくれた野本梢さんは、高校時代からの友人なんです。野本さんはこれまで、社会に認知されづらい個人の悩みに寄り添った映画を生み出してきていて、私もその作品を観ていました。それで、野本さんなら、生理不順や不妊という悩みを映画作品に昇華してくださるのではないか、と思ったところからプロジェクトが動き出しました」

映画『藍反射』では、25歳で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された深山はるか(道田里羽さん)を中心に、身体の悩みを誰にも相談できないまま、周囲との関係に悩み、自分を見つめ直していく若者たちの姿が描かれます。プロデューサーは千種さん、監督は野本梢監督さん、エグゼクティブプロデューサーは稲村久美子さん。

「早発閉経を物語の核にするのではなく、野本監督、エグゼクティブプロデューサーの稲村久美子さんと共に、生理不順やPCOSといった、より多くの女性が悩みを抱えるテーマに再構築しています。

野本さんやスタッフのみなさん、はるか役の道田里羽さんを始めとしたキャストさんの力によって、より普遍的で、多くの方が“私の話かもしれない”と思えるストーリーに紡ぎ直してくださり、完成作品を観たときには胸がいっぱいになりました」

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