気持ちを伝える努力を惜しまないで
私の夫はかなりひょうひょうとしたタイプで、私が泣き言を言っても「確率の問題だから、一回で成功するとは限らないよ」と理詰めの言葉を返してきたりして。彼の冷静さに支えられた面もありますが、「もうちょっと寄り添ってくれてもいいのに」とムッとしてしまうことも。
「あなたの言動がストレスになっている可能性もあるから、もっとやさしくしてください!」とはっきり言ったこともあります(笑)。夫は言い争っても仕方ないと思ったのか、「わかった」と言っていましたが、私は気持ちを言葉にできて少しすっきりしたかな。
治療の中心は基本的に女性で、どうしても女性の負担のほうが大きいのが不妊治療です。「私ばっかりつらい!」と不公平感を感じたことのある不妊治療経験者は多いと思いますが、実際に女性ばっかりが大変なんですよね。
男性はその大変さを体験していない分、なかなか理解できないことも、ピンとこないこともあるのだと思います。察してもらうのはむずかしいので、きちんと「してほしいことは言葉にして伝える」ことも大事なポイントだと思います。
人生の選択肢を広げる卵子凍結
最後に、卵子凍結について、お話をしたいと思います。
結婚前やパートナーがいなくても20代、30代前半のうちに卵子を凍結しておく、「社会的卵子凍結」も少しずつ浸透しつつあります。
女性の社会進出が進み、初婚年齢も上がっています。女性のキャリアと妊娠・出産をどう両立するかは、社会全体の課題だと思います。
もちろん卵子を凍結しておけば、必ず妊娠できるわけではありません。でも、30代後半、40代になってから妊娠を希望するときにも、凍結卵があれば可能性は高まります。それってすごいことですよね。
また、子宮内膜症が悪化したり、婦人科のトラブルなどで妊娠しにくいことがわかった場合にも、凍結卵の存在があれば希望になります。もし私がいま20代で結婚をしていなかったとしたら、卵子凍結をしていると思う!
女性が安心してキャリアを積むためにも、今後、さらに広まっていくことを期待しています。
取材・文/浦上藍子
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