現在は凍結融解胚移植がほとんど

従来は採卵した周期に移植を行う「新鮮胚移植」が主流でしたが、胚を凍結する技術の進歩によって、現在国内では生殖補助医療で生まれた子どもの9割以上が「凍結融解胚移植」です。日本の凍結技術は世界でもトップクラスで、初期胚、胚盤胞のどの時期でも凍結でき、融解したあとの胚の生存率は95%以上です。
採卵のために卵巣刺激を行った周期は、排卵誘発剤の影響で子宮内のホルモン環境が乱れ、着床を妨げる可能性があるほか、飲み薬のクロミッドには子宮内膜を薄くしてしまう副作用があります。凍結胚移植の最大のメリットは、次周期以降に子宮内膜の状態をととのえてから移植することで、妊娠率のアップが期待できることです。
また、卵巣への刺激が強すぎてOHSSの症状が出ている場合、その周期に妊娠すると、さらに症状が悪化するので、新鮮胚移植を避け、胚を凍結します。
凍結胚の移植には2つの方法があります
凍結胚を移植するときには、胚の培養日数と、移植する周期の排卵からの日数を合わせる必要があります。それは、移植の時点で子宮内膜が着床にふさわしい状態であることが望ましいからです。
排卵を自力で起こす「自然周期」と、自身の排卵が起きないように、子宮内膜を厚くしていく「ホルモン補充周期」があります。どちらを選ぶかは、排卵障害の有無や子宮内膜の育ち方、患者さんの希望を考慮して決めていきます。
〈お話〉
ファティリティクリニック東京
培養室室長 鈴木寛規さん

生殖補助医療胚培養士。大学で動物の発生工学を専攻し、卒業後に不妊治療専門クリニックの培養士に。2013年から現職。25年以上の経験を生かし、若手培養士の育成にも力を尽くしている。「培養士の仕事は多岐にわたりますが、どの作業も顕微鏡下で、ごく小さな細胞である卵子や精子、胚を扱うので、一瞬たりとも気が抜けません。妊娠できるいい胚を育てることに、日々全力で努力しています」(鈴木さん)
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*『赤ちゃんが欲しい2026』の記事を再編集しています。
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